猫のネズミ狩り
猫が人の生活領域で暮らし始めたのは、おそらく古代エジプト時代。
一説では人が大切に保管する穀物を狙うネズミを捕獲する能力を認められたからだと言われています。
しかし、ネズミと一緒に育てられた猫がそのネズミと仲よく暮らすことがあるように、猫にとって、ネズミは獲物として先天的にプログラムされているわけではありません。
猫がどんな動物を獲物にするのかは、母猫が何を獲物として子猫を育て、子猫にどんな狩りの学習をさせたか、あるいはその後の猫の環境にどんな獲物がいるかによって、学習されていく習性のようです。
猫がネズミなど特定の動物を何故「獲物」として捕まえるのでしょう。
狩りに入る前、猫はまず、カサカサという「音」をすばやくキャッチします。
その「音」により、「何だろう」という探索欲が高まります。
「音源」を調べた結果、それが「獲物」とわかれば、狩りの行動開始です。
猫がある動物を「獲物」と認識するには、いくつものポイントがあります。
そのひとつは、“大きさ”です。
ネズミやスズメなど、猫が捕まえやすいサイズであることが必要です。
でも、「窮鼠(きゅうそ)猫を咬む」ではありませんが、向かってくるネズミに驚いて逃げだす猫がいるように、動物の“動き”が、「敵」か「獲物」かを判断する大切な要素になります。
自分に歯向かうものは「敵」。
目の前をうろちょろしたり、どこかへ逃げていこうとしたりする、ちょうどネズミぐらいの大きさの動物を見ると、猫は「獲物」と認識して、狩猟本能が刺激され、襲いかかるのです。
猫にとって、いかにネズミが「獲物」の条件にぴったりだったとしても、猫がネズミに出会う機会が少なければ、仕方がありません。
野生時代から、猫はよくネズミを捕獲して暮らしてきたと考えられます。ちょうど猫が狩りをする夕暮れや早朝は、ネズミが活動する時間帯と同じなので、別にネズミを意図的に狙わなくても、“出会う確率”が高く、捕まえやすかったと思われます。
野生時代から、よくネズミを捕獲してきた猫が、たまたま人の生活領域にまで入ってきて、穀物をネズミから守りたい人と、ネズミを捕まえたい猫の利害が一致した。
これが、家猫の始まりなのではないでしょうか。